喘息の治療には吸入器が必要になります。
今では、家庭で使えるコンパクトな吸入器があり、使い捨ての吸入器で自分で治療を行うことができます。
昔だったら、病院に行って吸入するというイメージがあったのですが、喘息の吸入気もどんどん進歩して、家庭でも手軽に使えるようになりました。

喘息の吸入器は、大きく分けて2種類あります。

気管支拡張薬とステロイド薬です。
気管支拡張薬は気管支を拡張させて、気管支の空気の通り道を広げる方法です。
即効性があり、直ぐに呼吸が楽になります。
ただし、気管支を無理やり広げているだけで、気管支の炎症は取り除けていないので、気管支拡張薬で死亡してしまう事もあります。

気管支拡張薬は症状が治まったように見えても、気管支の炎症は取れていません。
直ぐに発作が再発して、どんどん症状が悪化するケースも多いのです。
喘息で死亡してしまうのは、炎症が取れていないのに治ったと勘違いするからです。
気管支拡張薬では喘息は治らず、空気の通り道を広げるだけです。

そこで登場したのが、喘息の吸入器であるステロイド薬です。

気管支拡張薬は気管支を広げるだけですが、ステロイド薬は気管支の炎症をとる事ができます。
即効性は無く、毎日使用することで炎症を抑えていく治療方法です。

喘息の死亡数が減ったのは、ステロイド薬が登場してからです。
私も以前は、気管支拡張薬だけの治療だったため、大発作を起こして何度も入院しました。
ステロイド薬が出てからは、炎症をとる事ができるので、大発作は起こさなくなりました。

気管支拡張薬は発作を抑えるだけですが、ステロイド薬は炎症を抑えて予防することができます。
ただし、毎日使用すること、ステロイド薬の副作用などが心配されます。

気管支拡張薬は心臓に負担をかけてしまうため、1日に数回しか使用してはいけません。
喘息を持っている人は、辛いと感じてしまうと、何度も使用してしまう傾向があります。
最終的には心臓発作を起こして死亡してしまうケースもあったわけです。

ステロイド薬が登場した事は、喘息で死亡しないということには大きな貢献をしたことになりますね。