冷え症がある方に喘息が多い理由
喘息と冷え症には密接な繋がりがあります。喘息は副交感神経が優位になった際に発作が起こりやすいと何度も解説していますが、実はこの副交感神経が優位になっている人こそ冷え症が起こりやすくなります。
副交感神経が優位になると次のような症状が表れます。
・ 血管は拡張し血液の流れがゆっくりとなる
・ 血圧は低下しやすい
・ 末端に血液の巡りが悪くなる
・ 本人も冷えを感じてしまう
このような症状が多く当てはまるほど、普段から副交感神経が優位である可能性があります。
血圧が低いと血流に滞りがすくなく、高血圧になったり生活習慣になりやすいのは良いかもしれません。しかしその一方で血液が全身に届けられにくく、貧血が酷いとか、何となく体調が悪い、虚弱体質など体の調子が悪い感じがします。
高血圧の人に比べると血圧が低い方が脈拍数も少なく、寿命は長いといわれています。しかし未病のような状態で長く生きたり、副交感神経が優位になりアレルギーや喘息などの病気にかかりやすく、つねに体が不調と感じる人も少なくありません。
逆に交感神経が優位の人は次のような症状が起こります。
・ 血管が収縮し血圧が上がりやすい
・ 寒がりの人は少なく逆に暑がり
・ 活動的でパワーがある感じ
もちろん交感神経が優位になりすぎて、血圧が上昇すれば生活習慣病を招くこともあります。しかし、喘息にはなりにくいタイプで、どちらかというとアレルギーの発症というより、ガンや生活習慣病などにかかりやすくなります。
喘息を持っている方はこのような方の体質を目指すと、ちょうどよくバランスが取れるようになります。
冷え症の改善にはぬるま湯のお風呂に入り、ゆっくりとつかって体を温めましょう!などといわれることが多くなっています。確かにじっくりと体の芯まで体を温めると冷えは解消するのですが、それはほんのつかの間だけです。冷え症の方でしっかりと入浴して温めたのに、体が冷えてくると眠れなくなる程からだが冷たいと感じるのではないでしょうか?
ぬる目のお風呂に入れば副交感神経が優位となり、血管が拡張している状態です。リラックス作用はとても高いのですが、コレでは根本的な冷え症解消に繋がらないことが多くなっています。
一番良いのは、入浴の最後に足に冷水をかけることです。このほうが冷え症が治ったと感じられ、長時間からだがポカポカしてくるため試してみてください。
喘息がある方は足だけでなく、体全体にも冷水をかけるようにしてみましょう。ただし心臓に問題が無い方のみです。最初はかなりの刺激を感じるため、心臓がビックリしてしまいます。心臓が弱い方がやると心臓発作を起こしかねない刺激ですから避けてください。
慣れるまではお風呂から上がる際に足のみに冷水をかけましょう。慣れてきたら今度は洗面器に冷水を張り、それを一気に体にかけます。これを何度か繰り返していると、体が内側から異様にポカポカしてくる感じがします。
一度体を浴槽で温めてから冷水をかけると、自律神経の交感神経が刺激され血管がきゅっと締まります。温められた体温が放熱せず体の中に溜め込むように変わります。さらに体が冷やされると恒常性により体温を上げようとする働きが起こるため、いつまでも体温が維持されていくのです。
この冷水浴を実践すると喘息と冷え症の両方が改善されていきます。本人としてもそのほうが体調が良いように感じられるのですから、どちらも症状がある方には特におすすめできます。
喘息がある方は風邪をひいたらいけないと考え、ついつい厚着をしすぎる傾向にあります。これでは外気に触れず、日中に交感神経が働く暇がありません。昼間はできるだけ薄着を心がけ、寝る前には入浴をして体を温め最後に冷水浴を実践しましょう。
最初は薄着が難しいと感じるかもしれませんが、冷水浴で冷え症が改善されていくと薄着にもなれていきます。
・ 暖房を小さく室温は17度前後でちょうどいい
・ 半身浴やぬる目のお風呂の最後は冷水浴で締める
・ それでも寒い場合は下半身を集中的に温める
・ スクワットをして下半身に筋肉を付ける
理想は下半身が温かく、上半身は薄着にする方法です。下半身をしっかりと着こんでいれば、上はかなり薄着でも寒いとは感じられません。さらに薄着を心掛けるなら、下半身にしっかりと筋肉を付けて自分の熱を作りだせる体にすることです。
喘息の人はもともと副交感神経が優位となり、交感神経が働いて分泌するアドレナリン・コルチゾールなどのホルモンが不足しています。喘息の治療はいわばこれらのホルモンを補う方法ですから、自分でちゃんと分泌することができれば喘息の発作は起こりにくくなります。
これらのホルモンを分泌させる刺激となるのが冷水浴です。アトピー性皮膚炎、喘息、鼻炎、などアレルギー性疾患がある方におすすめの入浴法です。